検査の基準値・正常値のまとめ

【血清アミラーゼ・尿中アミラーゼ検査の基準値・正常値のまとめ】

検査ぶっく♪では血清アミラーゼ・尿中アミラーゼの基準値・正常値の範囲および検査内容について入門者向きに解説しております。

◆血清アミラーゼ・尿中アミラーゼとは?

アミラーゼとは、「唾液腺」・「膵臓」から分泌されている消化酵素のひとつです。

分泌されたアミラーゼは、血液中に流出し、血中に含まれますが、この血中に含まれるアミラーゼが「血清アミラーゼ」です。

血清アミラーゼは血中に在留し「腎臓」でろ過され尿の一部となり尿中にも含まれます。

そのためアミラーゼ検査では「血液検査」の他に「尿検査」でも数値の測定が可能となります。

尿中に含まれるアミラーゼ検査は「尿アミラーゼ」もしくは「尿中アミラーゼ」の数値が測定され、血液検査同様に病気の診断材料となります。

血液検査、もしくは尿検査でアミラーゼの測定が行われる主なケースとしては膵臓系疾患や膵臓の機能の状態の確認、また慢性膵炎などの状態の確認をする目的で検査が行われるケースが大半です。

今回は、アミラーゼ検査の検査数値の見方、そして検査結果からどのような事が解るのか。更に検査結果から疑われる疾患の可能性について確認していきましょう。

目次

◆アミラーゼ血液検査が行われるケースについて

アミラーゼ血液検査が行われるケースについて見ていきましょう。

アミラーゼ血液検査は、主に
●急性膵炎(きゅうせいすいえん)
●慢性膵炎(まんせいすいえん)
●膵臓損傷(すいぞうそんしょう)
などの膵臓疾患の可能性を確認する際にアミラーゼ検査が実施されます。

また、アミラーゼ血液検査は腫瘍マーカー検査の項目のひとつしても用いられており
●肺がん
●卵巣がん
●大腸がん
などのガン検査目的でもアミラーゼ検査が実施されております。

血清アミラーゼ・尿中アミラーゼ検査の目的【画像】

◆アミラーゼ数値の一般的な正常値・基準値表

アミラーゼ検査値の一般的な正常値の範囲、基準値の範囲について見ていきましょう。

ここで掲載する数値の範囲は、一般的なアミラーゼ検査値の基準値の指標であり、仮に基準値内であっても、疾患の可能性や症状の可能性がないという訳ではありません。

尚、アミラーゼ血液検査では、「血液中のアミラーゼ含有量」を測定します。

ここでは、血清アミラーゼと合わせて尿中アミラーゼの基準値についても確認します。

アミラーゼの基準値の範囲は以下の通りです。

【血清アミラーゼ・尿中アミラーゼ基準値一覧表】
範囲血清アミラーゼ
単位(lU/l)
尿中アミラーゼ
単位(lU/l)
上昇が認められる範囲133以上1101以上
基準値の範囲40~132100~1100
低下が認められる範囲39以下99以下

※検査基準値の範囲は臨床検査を行う施設や測定方法により異なります。

続いて、検査結果が正常値から外れてしまっている場合に考えられる疾患の可能性や、膵臓系疾患との関連性について確認していきましょう。

◆アミラーゼ検査値が基準値よりも高い場合について

血液検査・尿検査の結果、アミラーゼ検査値が基準値の範囲よりも高くなっている場合。

このようなケースでは、
●急性膵炎
●慢性膵炎
●膵臓損傷
●仮性水嚢胞
などの膵臓疾患の可能性が検討されます。

また、膵臓疾患以外に疑われる病気の可能性としては以下のような病気の可能性が検討されます。

●マクロアミラーゼ血症
●唾液腺炎
●腸閉塞
●十二指腸乳頭部がん
●肺がん
●卵巣がん
●大腸がん

◆アミラーゼ検査値が基準値よりも低い場合について

尿検査・血液検査の結果、アミラーゼ検査値が基準値の範囲よりも低くなっている場合のケースについて見ていきましょう。

このように検査値の数値が基準値よりも減少しているケースでは、
●膵臓
●唾液腺
の切除後などのケースが考えられます。

切除後は、アミラーゼ数値が一時的に低下します。

その為、切除手術を行った場合は、アミラーゼ数値の回復度合いが検診指標ともなります。

また、慢性膵炎の持病を持っている場合、膵炎からおこる
●痛みが治まっている状態
の時もアミラーゼ数値は低下する傾向にあります。

尚、極端に数値が低下しているケースでは
●膵臓癌
の可能性も検討されるので注意が必要となります。