検査の基準値・正常値のまとめ

【聴力検査の基準値・正常値のまとめ】

検査ぶっく♪では聴力検査の基準値・正常値の範囲および検査内容について入門者向きに解説しております。

◆聴力検査の基準値・正常値のまとめ♪(もくじ)

◆聴力検査とは?

聴力とは、一般的に「音や言葉を聞き取る能力」のことを言います。

聴力検査とは、この聴力の測定を行う検査のことで、健康診断の基本検査項目のひとつとして位置づけられております。

健康診断などで行われている聴力検査は「純音聴力検査」と呼ばれている検査でオーディオメーター装置が発する周波数を聞き取ります。

純音聴力検査では、オーディオメーター装置の周波数(ヘルツ)を徐々に上げていき被験者が音を初めて感じた際に「信号ボタン」を押すことで、その信号ボタンを押した段階に応じて聴力が測定されます。

左右の聴力の差がある場合は、聴力の良い耳側に「マスキング」と呼ばれる、わずかなノイズを聞かせることで正しい数値を測定することが可能となります。

今回は、聴力検査の検査数値の見方、そして検査結果からどのような事が解るのか。更に検査結果から疑われる疾患の可能性について確認していきましょう。

目次

◆聴力検査が行われるのはどんな時?

聴力検査が行われるケースについて見ていきましょう。

聴力検査は、健康診断の基本項目ですから、健康診断時は誰もが検査を実施することになります。

健康診断時以外のケースでは
●難聴の可能性を感じる
●耳鳴りがする
●吐き気が強い
●耳痛を発症している
●めまいが強い
などのケースでも聴力検査は実施されます。

これは、耳鳴りや吐き気といった症状が「メニエール病」の主要な自覚症状である為、その可能性を検討するためです。

◆聴力検査結果の一般的な正常値・基準値の範囲表

聴力検査の一般的な正常値の範囲、基準値の範囲について見ていきましょう。

ここで掲載する数値の範囲は、一般的な聴力検査の基準値の指標であり、仮に基準値内であっても、疾患の可能性や症状の可能性がないという訳ではありません。

尚、純音聴力検査では、低音域(1000Hz)から高音域(4000Hz)までの周波数を5~7段階の周波数に分けて検査を行うの基本です。

【聴力検査数値の基準値の範囲】
範囲単位(db)
難聴が疑われる範囲50以上
軽度の難聴が疑われる範囲35~50
基準値の範囲30以下

※検査基準値の範囲は聴力検査を行う施設や測定方法により異なります。

続いて、聴力検査結果が正常値から外れてしまっている場合や検査値が極端に偏っている場合に考えられる疾患の可能性や、他の疾患との関連性について確認していきましょう。

◆db検査数値が基準値の範囲よりも高い場合について

聴力検査の結果、db検査数値が基準値の範囲よりも高くなっている場合。

このようなケースでは、
●老人性難聴
●メニエール病
●突発性難聴
●聴神経腫瘍
●内耳炎

などの感音性難聴の可能性や
●中耳炎
●耳硬化症
●耳管狭窄症
●耳垢塞栓

などの伝音性難聴の可能性が検討されます。

尚、老人性難聴などの加齢による難聴の場合は、高周波数帯においても聞き取りづらくなるという独特の特徴があります。

聴力検査は、ただ単純に聴力の測定を目的に行われる以外にも、これらの関連疾患の発症の可能性を検討する際にも検査が実施されている点がポイントです。

◆難聴の診断基準と難聴の原因

聴力検査の結果、db検査数値が「50~55以上」を示すケースでは難聴と診断されるケースがあります。

老人性難聴などの加齢に伴う難聴の場合は誰にでも発症する症状であり、適切な治療法は現在確立されておりません。

また、加齢に伴う難聴以外における、主な原因としては「中耳炎」の発症があげられます。

中耳炎は適切な治療を行わずに放置していた場合、
●耳漏
●吐き気
●難聴

などの症状を発症するようになります。

◆db数値が40以上の場合は補聴器を検討

尚、耳鼻科では聴力に応じて「補聴器」の使用を検討していくケースもあります。

補聴器の使用の目安としては
●db数値が40以上のケース
です。

補聴器には
●耳穴式
●耳かけ式
●ポケット式
●眼鏡式
●デジタル式

など様々な種類の補聴器がありますが、日常生活で活発に行動する場合は、安全性の面からも補聴器の検討が必要になります。