検査の基準値・正常値のまとめ

【ヘマトクリット検査の基準値・正常値のまとめ】

検査ぶっく♪ではヘマトクリット血液検査の基準値・正常値の範囲および検査内容について入門者向きに解説しております。

◆ヘマトクリット検査の基準値・正常値のまとめ♪(もくじ)

◆ヘマトクリットとは?

 ヘマトクリットとは、血液中に含まれる「赤血球」の割合、比率をあらわすものです。

 赤血球は名前の通り赤い色素が含まれた成分。

ヘマトクリット値とは?

 血液が赤色に見えるのは、赤血球が血液中にたっぷりと含まれている為なのですね。

 この赤血球の最大の役割は酸素の運搬です。

 この酸素の運搬を行う主役は赤血球に含まれているヘモグロビンと呼ばれる成分です。

 ヘモグロビンは鉄を主原料として作られる金属性の蛋白質成分。

 このヘモグロビンは酸素と結合する形で赤血球に入り込み、赤血球は血液に溶け込んで全身に酸素を運搬します。

◆赤血球・白血球・血小板の働き

 ヒトの血液には様々な成分が含まれております。

 中でも重要な役割をもち広く知られている成分としては、赤血球以外にも白血球や血小板があります。

 白血球は人体の免疫システムの中でも最も主力として機能する成分で体内に異物を確認したり、ウイルスや細菌を見つけると積極的に活動し戦いを開始します。

 血小板は人体に負った傷を修復するシステムの司令塔で、皮膚や皮下組織に傷口が発生すると、傷口に集まりすぐに修復活動を開始します。

 赤血球は酸素運搬システムの主役、白血球は免疫システムの主役、血小板は修復システムの主役とイメージするとわかりやすいかもしれません。

◆試験管の底に溜まる沈殿物成分を分析する

 血液検査では採取した血液の成分を分析することで病気の可能性や障害の有無を確認します。

 しかしヘマトクリット血液検査では、まず採取した血液を試験管などに入れて一定時間放置します。

 放置された血液は時間の経過と共に溶血がはじまり、試験管の底には各成分の「沈殿物」が溜まります。

 ヘマトクリット血液検査では、試験管の底に沈殿した成分から血液中の主成分の比率を検査することで様々な症状の観測をしていきます。

〜ポイントのまとめ〜
★ヘマトクリットは比率を測定する検査
★赤血球の主な役割は酸素の運搬
★採取した血液を放置すると底に成分が沈殿する

◆ヘマトクリット血液検査の目的は貧血症疾患の確認

 ヘマトクリット血液検査が行われるケースについて見ていきましょう。

 ヘマトクリット血液検査は、主に「鉄欠乏性貧血」などの貧血性疾患の可能性を確認する際に血液検査が実施されます。

 貧血の主な原因は酸素の供給が体内に正常に行われなくなってしまうことが要因となっているケースが大半です。

 怪我や交通事故などによって負傷した際に出血が続き大量に血液を失うような場合も貧血症を起こします。

めまい・立ちくらみの原因

 女性の場合は毎月の月経時にも多くの血液を失う為、貧血症を発症する事が多くありますが、どちらもやはり低酸素状態になることが貧血の原因にあるのですね。

 貧血症は脳への酸素供給が減少することによって、めまいや立ちくらみを発症する疾患です。

 極度の貧血の場合は、意識が遠のいて転倒したり、場合によっては失神を起こすケースもあります。

 ヘマトクリット血液検査では、赤血球の数や大きさ、成分比率をチェックし赤血球数に異常が生じていないかを確認することができます。

◆赤血球数と比率をチェックする

 酸素を運ぶ主役は赤血球内に存在しているヘモグロビンです。

 ですから赤血球が減少するということは、すなわちヘモグロビン量も低下する事に直結します。

 何らかの異常により赤血球数が減少すると、血液内のヘモグロビン量も低下し、ヘモグロビン量の低下に伴い「酸素供給能力」も低下します。

 このような状態になると、低酸素状態となり貧血症状を発症することになります。

 ヘマトクリット血液検査では、貧血症状などの要因がこのような「赤血球量の減少」によるものであるのか?

 もしくは、「赤血球の比率」に応じて発症しているのか?を見極めるために検査が実施されております。

◆ヘマトクリット管による測定方法

 ヘマトクリット血液検査はヘマトクリット管を使用して測定します。

 採取した血液は遠心分離機によって血液成分を「血漿成分」「血球成分」に分離します。

 ヘマトクリット検査では赤血球の比率を測定しますが、この血球成分と血漿成分は綺麗に分かれるため、検査ではそれぞれの高さを測ることで比率を確認します。

 尚、血球成分に含まれている血液成分の主成分は赤血球です。

 検査時に目にしたことがある方もいるかもしれませんが、ヘマトクリット管は試験管とは若干異なり目盛りが記載されている底が平らなガラス性の管です。

 ヘマトクリット検査では、このように専用器具を使用して測定を行います。

〜ポイントのまとめ〜
★ヘマトクリット検査の主な目的は貧血症の原因の確認
★原因は赤血球の減少なのか?血液成分の比率が原因なのか?を見極める事が大切

◆遠心分離機による検査と自然溶血による測定法

 ヘマトクリット検査値の一般的な正常値の範囲、基準値の範囲について見ていきましょう。

 掲載する数値の範囲は、一般的なヘマトクリット検査値の基準値の指標です。

 仮に基準値内であっても、成分の比率によって他の疾患の可能性が存在するケースもありますので疾患の可能性がないという訳ではもちろんありません。

 検査方法は採取した血液を一定時間放置し血清と沈殿物に分離させてから測定する方法と、人工的に遠心分離機で成分の溶血を促進させる方法があります。

 溶血とは、血液成分が分離することで赤血球内のヘモグロビンなどの成分が漏れ出てほぼ透明の血清と沈殿物に分離される事を指します。

 どちらの方法であっても調べる対象は赤血球です。

◆男性は女性よりも赤血球比率が高い

 検査結果は検査を行う検査機関や体調によっても変化します。

 また検査方法によっても若干の変動がある可能性もありますし、医師によって基準と考えるラインが異なるケースもあります。

 以下の表ではあくまで一般的に認識されている範囲の基準です。

 尚、赤血球の比率は性別によって明らかに比率が異なります。

 男性は女性よりも比率が高く、女性は月経などによっても数値が変化してくる点を覚えておきましょう。

男性と女性の赤血球比率の違い(画像)

◆ヘマトクリット検査値の基準値一覧表

 検査当日は、月経の有無などの申告が必要です。

 基準値一覧表では、基準範囲から上昇が認められる範囲、低下が認められる範囲、危険性の高い範囲に分類してあります。

 ヘマトクリット検査では比率が低下すると危険と言う訳ではなく、比率が高い数値を示す場合も要注意です。

【ヘマトクリット検査値の基準値一覧表】
範囲男性(%)女性(%)
要注意・危険性の高い範囲57以上49以上
上昇が認められる範囲53〜5645〜48
基準値の範囲40〜5235〜44
低下が認められる範囲37〜3932〜34
要注意・危険性の高い範囲36以下31以下