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【プールの浮力と体重の関係・水中歩行の思わぬ効果】

検査ぶっく♪ではリハビリや運動療法で実践される水中歩行・水中運動の効果、プールの浮力と体重の関係について入門者向きに解説しております。

◆プールの浮力と体重の関係・水中歩行の効果♪(もくじ)

◆運動療法にお勧めの水中運動4つの効果

 健康診断や特定検診での検査結果が出た後で、担当の医師から運動不足が指摘されるケースは珍しい事ではありません。

 しかし、例えば社会人になり日ごろから運動不足が続いている方が、突然学生時代の時のようにバリバリと運動を再開すると体はすぐに悲鳴をあげてしまいます。

 生活習慣病などに代表される疾患で運動不足が指摘されるようなケースでは、自分自身のベスト時の体重より増加しているケースが大半ですから関節への負担も大きくなっております。

 日常生活の中に積極的に運動を取り入れていく治療を運動療法と呼びますが、運動療法は「継続できるかどうか」が最大のポイントとなる為、初めから負荷の高い運動を実践するのは好ましくありません。

 そこで、この運動療法を検討する際に、覚えておきたいのが水中運動の魅力です。

 水中は陸上と異なり浮力が働く為、関節への負担が大きく軽減されます。

 また水中運動の魅力は他にも以下のような4つの効果が期待できる点が大きな魅力です。

水中運動4つの効果【画像】

◆@浮力効果・プールの浮力と体重の関係

 プールで泳いだ後にプールサイドのはしごを登り陸にあがると「体が突然重たくなったように感じた経験」をお持ちの方は多いかと思います。

 これは水中では浮力が働くため、水中での体重が軽くなっている為です。

 水中では浮力が働くため、体重は約10分の1まで軽くなります。

 例えば60キロの体重の方は、プールでは浮力が働き6キロの体重、80キロの方でも水中では僅か8キロ程度の体重となる訳です。

 生まれたばかりの赤ちゃんの体重は約3キロ前後ですから、この浮力の効果がいかに大きいかは推測できます。

プールの浮力と体重の関係【画像】

 運動療法を開始する際に水中歩行が進められる最大の要因は、この関節への負担が少ないという浮力の働きが関係しております。

 膝痛、腰痛をお持ちの方や、肥満症の方、また他の疾患があり軽い散歩程度の運動でも体への負担が大きい方でも、浮力が大きく働く水中ウォーキングなら取り組めるケースもあります。

 水中ではただゆっくりと歩くだけでも陸上以上に運動量(カロリー消費量)を稼ぐことができるので運動不足の解消にも繋がります。

◆A水圧効果・下半身のむくみ症状の改善も

 続いて2つ目の効果である水圧効果について見ていきましょう。

 水中に入ると体には「水圧」が常にかかります。

 海底探査機などはとても頑丈な作りとなっていますが、これは水深が深くなるほど水圧が高くなるためです。

 運動療法で行うプールでの水中ウォーキングでは、水深が深くなる特に下半身に高い水圧がかかります。

水中歩行と水圧の関係【画像】

 体は水圧を受ける事で血管が圧迫され特に下半身の血流が促進され心臓へ血液を戻そうとする働きが向上します。

 これは、下半身のむくみ症状の改善や、血流の促進による冷え性の改善にも繋がります。

 また、常時水圧を受ける事によって全身がマッサージに近い効果を受ける為、複数の相乗効果が期待できます。

◆B抵抗効果・水の抵抗とカロリー消費量の関係

 続いて3つ目の効果である抵抗効果について見ていきましょう。

 プールの中で走ろうとしても全く早く進むことができないのはイメージ的に理解できると思います。

 もし、既に水中ウォーキングなどを実践中の方であれば一度プール内で早く走ろうと試してみて下さい。

 陸上を歩くスピードにほど遠く、更にほぼ水中を歩く速度と変わらないスピードしか出せません。

 これは水中ではどの方向へ進もうとしても「水の抵抗」が加わることが原因です。

 水の抵抗はスピードが高くなるほど抵抗も増します。

 そのため、水中では早く移動しようとするほど抵抗が大きくなり結果的に思うようにスピードを出せません。

 また、水中ウォーキング程度の軽い運動でも水の抵抗が加わる為、陸上を歩くよりも大きなエネルギーが必要となります。

 その為、水中での運動はカロリー消費量が高く効率的にカロリー消費を促すことが可能になるのです。

水の抵抗を上手に活用しよう【画像】

 実際にプールで水中運動に取り組む際は、最初は水中でバランスを保つだけでも難しく感じます。

 しかし水中ウォーキングに慣れてきたら移動速度を意識的に早めるなど、自分で簡単に運動負荷を高める事も可能な点が水中ウォーキングの魅力でもあります。

◆C水温効果とは?陸上の20倍以上の速さでカロリーを消費

 最後に4つ目の効果である水温効果について見ていきましょう。

 一日じっとしていても、時間が経過するとお腹がすきますよね。

 これは人間が生命を維持するために、常時少しずつカロリーを消費している為です。

 この生命を維持するためのカロリー消費量を「基礎代謝」と呼びます。

 人間の体は体温の維持や心筋(心臓の筋肉)などの不随意筋(意識せずとも動き続ける筋肉)の活動を通じて、じっとしていてもカロリーを消費します。

 尚、水中では陸上と比較すると約20倍以上の速さで体温が奪われていくため、恒温動物である私たち人間は体温の維持をする為に多くのカロリーが消費されます。

水温効果は大きな魅力【画像】

 この水中で体温を維持するためのカロリー消費は水温が低くなるほど大きくなるため、プールの水温が低くなるほど時間当たりのカロリー消費量は大きくなります。

 水中運動の魅力のひとつとして水温効果は大きなポイントです。

 これは水中では水温効果が働くため水中でただじっとしているだけでも陸上の数十倍の速さでカロリーが消費されていく為です。

◆運動療法は継続が難しいというのが最大の難点

 運動療法で行われる水中ウォーキングは、浮力の働きによる負担の軽減、水圧によるマッサージ効果。

 そして、水温効果によってただじっとしているだけでも陸上の数十倍の速さでカロリーが消費され、水の抵抗によって軽い運動でも更にカロリー消費が促されます。

 運動療法は、継続が難しいというのが最大の難点であり課題でもあります。

 水中ウォーキングは魅力的なメニューではありますがプールに通い続ける事も負担となるかもしれません。

 しかし、ここまで解説してきた魅力的な効果を把握した状態で取り組むことで意識も高揚し、継続に繋がりやすくなるかと思います。

 「今日は疲れたな〜」とやる気が起きない日でも、ただプールの中でじっとしているだけでもカロリーは消費されていきます。

 運動量を一定量確保する習慣が身についてくると基礎代謝量も増加してきますので無理をせず少しずつ取り組みましょう。