血液検査の結果、血清鉄検査値が基準値の範囲よりも高くなっている場合。
血清鉄量に増加が確認される場合は、何かしらの疾患を発症している可能性を検討していく必要があります。
◆代謝に問題があるのか?
◆分泌が過剰になっているのか?
血液検査によって血清鉄量に増加が確認される場合はこれらの危険性が潜んでいる可能性がある為です。
血清鉄が高い数値を示すケースでは以下のような疾患の可能性を検討していくことになります。
血清鉄が高い数値を示すケースで疑われる疾患
☆ヘモクロマトーシス
☆肝機能障害
☆再生不良性貧血
☆急性白血病
血清鉄が高くなる特徴をもつ疾患のひとつがヘモクロマトーシスです。
ヘモクロマトーシスとは輸血や遺伝により「心臓」や「膵臓」「肝臓」などの臓器や関節に鉄分が過剰に沈着する疾患のひとつです。
体内にはフェリチンと呼ばれる貯蔵鉄が常時保管されております。
このフェリチンは体内の酸素の運搬を行うヘモグロビンの減少を防止するために常時ミネラルである鉄分を体内にストックさせている成分です。
ヘモクロマトーシスを発症している場合は、この貯蔵鉄の量が基準範囲を大きく超えて蓄えるようになり、結果各種臓器や関節に鉄分が癒着してしまうことになります。
一般成人の貯蔵鉄の保有量は2500mg~3500mg程度。
多くても4000mg以下です。
【検査ぶっく内参照記事】
フェリチンとは、主に肝臓に蓄えられている貯蔵鉄です。ヘモグロビンは酸素と結びつき、体内の末梢機関に至るまで血液中に含まれた状態で酸素を供給します。その為、ヘモグロビンがもし不足するような状態が続くと人体は酸素欠乏を起こし様々な症状…
⇒フェリチン(貯蔵鉄)の低下と貧血のメカニズム
貯蔵鉄の量があまりも異常値を示す場合はヘモクロマトーシスの可能性を検討していく必要があります。
※ヘモクロマトーシス=貯蔵鉄の過剰によって発症する疾患
肝機能障害とは、肝臓の機能に低下現象が見られる疾患の総称のことです。
肝硬変や肝炎などによって肝臓の働きに以上が生じている場合に肝機能障害の疑いがあると診断されます。
肝機能障害が確認された場合は、どの疾患が原因となって症状を発症しているのかを見極めることが重要です。
場合によっては腎臓の濾過機能が低下し、排泄機能に障害が生じることで肝臓に負担がかかり肝機能障害を発症しているようなケースもあります。
肝臓は鉄を貯蔵する金庫のような役割も持っている為、肝機能の異常もまた注意が必要です。
※肝機能障害=肝臓機能の異常を示す状態の総称