アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)とはどのような疾患なのでしょうか?
このアジソン病とは副腎と呼ばれるホルモンを分泌する器官がダメージを受けることによって「副腎皮質ホルモン」の分泌が低下する症状を発症する疾患です。
アジソン病の症状を発症する主な原因は腎臓の上部に位置する副腎の機能そのものが低下することが最大の要因です。
※アジソン病は副腎の機能低下が要因となって副腎皮質ホルモンの分泌能力が低下することにより様々な症状をもたらす疾患の総称
副腎が損傷を受ける最大の要因は副腎結核と自己免疫性疾患です。
副腎結核などによって副腎組織の90%以上がダメージを受けるとかなりの確率でアジソン病を発症することになります。
副腎皮質ホルモンという言葉は耳にされたことがある方は多いかと思います。では、この副腎から分泌されている副腎皮質ホルモンとは具体的にどのようなホルモンがあるのでしょうか?
副腎皮質から分泌されているホルモンは主に以下の3種類のホルモンです。
副腎皮質から分泌されるホルモンの種類
☆糖質コルチコイド
☆鉱質コルチコイド
☆性ホルモン
糖質コルチコイド
糖質コルチコイドは、その名称からも推測できるとおり糖分の代謝に関与する副腎皮質ホルモンです。たんぱく質の糖化作用の他、成長ホルモンの分泌を促す働きがあり重要なホルモンの一種です。
アジソン病患者の場合は代謝異常から糖質コルチコイドの欠損が見られるケースがあります。尚、糖質コルチコイドはグルココルチコイドとも呼ばれております。
鉱質コルチコイド
鉱質コルチコイドは、主に血液の循環システムの微調整を行う副腎皮質ホルモンです。体循環・肺循環の血流量の調整を行い血圧のコントロールを行うこちらも重要なホルモンの一種です。
アジソン病患者の場合は糖質コルチコイド同様、鉱質コルチコイドにおいても欠損が見られるケースがあります。尚、鉱質コルチコイドは、ミネラルコルチコイドとも呼ばれます。
性ホルモン
副腎から分泌される主な性ホルモンはアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンが主流です。アジソン病患者であっても極端な低下などが確認されるケースは稀です。
副腎機能が弱っている場合の治療法について見ていきましょう。
副腎は一度失われた器官が再生することはありません。
ですから現状の維持を行っていくことが基本条件となります。
アジソン病などのように副腎の機能が低下し、副腎皮質ホルモンの分泌が出来にくい状態の場合は治療過程で副腎皮質ホルモンの投与を行います。
但し、副腎皮質ホルモン薬の投与を長期間継続すると、体内でコルチゾールを分泌する能力が低下し結果的に更に数値に減少が確認されるケースもあるので注意が必要です。
~ポイントのまとめ~
★数値の低下が見られる場合は副腎皮質の異常を検討する
★副腎機能障害の最大要因は副腎結核
★副腎皮質ホルモンの投与が長期化するとコルチゾールの分泌能力が低下する